D-18タイプ・アコースティックギター製作その3~横板~
横板の厚みは2.0mmを基準に曲げやすい材や形であれば2.2mmくらいまで、杢の入った材やくびれのきつい形であれば1.8mmくらいまでで調整します。プレーンのマホガニーにドレッドノートなので2.2mmです。
曲げはシリコンラバーヒーターとサイドベンダーで行います。水は少ないほうが反りや歪みが少ないと思います。温度はローズなら280℉(137℃)、マホやメープルは300~320℉(148℃~160℃)くらいで曲げています。曲げてから250℉に下げて15分ほど過熱したら電源を切って冷まします。
熱と水分が加わることで多少の歪みはどうしても出てしまうので箱になってから研磨してなるべく平面に修正します。完璧な平面を求めて削りすぎると場所によって極端に厚みが変わることになるのでバインディングの貼り付けに影響のない範囲でとどめます。
そのような面からも薄板を2枚張り合わせたダブルレイヤーサイドは良いアイデアと思います。例えば1.5mm厚なら曲げやすく、型にはめて接着することで平面も出て3.0mm厚の非常にしっかりした横板が出来ます。ドラムのリムのようにしっかりした横板で表板と裏板がより振動するというのがダブルレイヤーの理論です。しかし横板(や裏板)のやわらかさが振動を吸収・拡散することでコンプレッション感などを生み出しているとも考えられるので求める音によっては不向きかもしれません。