Fusion360を使ったギター指板製作その4です。1~3はこちら。 CNCルーターで加工するのに必要なツールパスを作成します。製造からまずは設定。厚みは6.5mmに製材してCNC加工上がりで6.45mm、刃痕を消すのとフレット打ち前の平面出して0.1mm~0.2mmくらいは減…
3D CADをFusion360を使ったギター指板製作その3です。前回の記事はこちらから。 今回はインレイ、ドットポジションマークを入れます。指板表面はすでにアールがついているのでスケッチが作成できません。なので構築→オフセット平面を使って指板の厚み分だけ…
前回の記事はこちら。今回はアールとフレット溝です。 コンパウンドレディアス(円錐指板)にするためにこちらのサイトにスケール、弦間隔等を入力して計算します。こちらのサイト、設計図等もたくさん載っていています。 ナットでのアールを14インチ(355.6mm)…
3DCADソフト、Fusion360を使ったギター指板の作り方です。寸法は以前のブログ記事で公開したDタイプの物を使用します。 アールはコンパウンドレディアス(円錐指板)、フレット溝の底面は指板のアールに沿った深さ、端からタングが出ないように両サイドを1.5m…
ShapeokoではCarbide Motionというソフトが無料で使用できるのでそれを使ってコンピューターからCNCルーターへGコードを送ります。 まず材料をセットします。今回は簡単に両面テープで固定しました。 次にJogを使ってビットを任意の位置へ動かしてX軸、Y軸、…
Shapeokoに限らずCNCルーター使用法の大まかな流れは ①3D CADソフトでのモデル作成 ②CAMソフトでツールパス(Gコード)の作成 ③GコードセンダーでCNCマシンへGコードを送り切削する となります。 3D CADとCAMはFusion360というソフトに入っておりそちらを使用…
アメリカから届いたShapeoko 3 XL。巨大な段ボールを西濃運輸さんが配達してくれました。開梱するとこの様にパーツごとに分けられています。六角レンチなどの必要な工具もすべて入っています。 オンラインマニュアルが下のリンクから確認できるので見ながら…
先日、小型のCNCルーターを導入しました。少し前まではCNCルーターと言えば大型で1台、数百万円~億の世界で個人工房には無縁の存在でした。また動かすのに必要な3D CADソフトやCAMソフトも高額でした。しかしここ数年のデジタルファブリケーションの進化は…
ブリッジプレートはローステッドメープル材を使用しています。サーモウッドとかトーリファイドと呼ばれる加熱処理材です。厚みは1.9~2.1mmこれも低音弦側を薄く、高音弦側を厚くしています。ブレーシング材はシトカです。グレーベン曰くマーティンはブレ…
ネックブロックはマホガニー、L字にすることでネック起きを抑止する効果があります。エンドブロックはバーチ合板(12mm厚)です。バーチ合板は強度があり木目が互い違いに積層されているので割れにくく、万が一の際のリスクを減らすことができます。 別のギ…
横板の厚みは2.0mmを基準に曲げやすい材や形であれば2.2mmくらいまで、杢の入った材やくびれのきつい形であれば1.8mmくらいまでで調整します。プレーンのマホガニーにドレッドノートなので2.2mmです。 曲げはシリコンラバーヒーターとサイドベンダー…
表板材はルッツスプルース、横板・裏板にはホンジュラスマホガニーを使用します。表板と裏板はジョイントしたらある程度の厚みにして表側になる面だけ#150で仕上げてウッドシーラーを薄めに希釈した物をウエスで塗ります。これを塗っておくとロゼッタやバイ…
先日のハンドギタークラフトギターフェスで「ブログ見ています」という方が思いのほかたくさんいらしてうれしい限りです。久しぶりの新企画です。 D-18タイプの製作を通して、製作手法、考え方、具体的な寸法などをシェアしたい思います。正直、あまりにも…
先日、とあるサプライヤーより「ハカランダ」として販売されている木材を購入しました。ハカランダにも真っ黒のから縞模様までいろいろなものがありますがいつも取引しているギター材料の専門業者から購入したハカランダとは色や質感が違っていましたのでお…
・ビンテージギターは木材が乾燥しているので良く鳴る ・ギターは弾き込むと音が良くなる こういう話をよく聞きますが実際のところどうなのでしょうか。感覚的には自分の製作したアコースティックギターも完成から数年経つと音が変わってきたなと思うことは…
クラドニパターンとは振動する平面に粉状のものを撒いて振動している部分と節の部分を可視化する方法です。 Resonance Experiment! (Full Version - With Tones)(※音量注意) ギターの表板、裏板でも同じことができます。実験中の動画です。 今回はこのクラド…
ヴォイジャーギターズの特徴の一つにもなっている自作のアコースティックギター用ピックガードですが、ギターフェス等で同業者やギタークラフトの学生さんから「どうやって作ってるのですか?」と聞かれることが多いのでここで公開いたします。ピックガード…
表板が音色の基本的な部分を作るのに対し、サイドバックは色付けとして役割を持ちます。D-18とD-28を弾き比べればわかるように「色付け」とはいってもギターの音色を大きく左右します。使用する木材の密度、硬さ、弾性はもちろん厚みやブレイシングパターン…
アコースティックギターのサウンドホールについての考察です。 サウンドホールの直径 通常マーチンDタイプなら4インチ(101.6mm)、000は3-7/8インチ(98.4mm)の物が多いです。年代、メーカー、モデルによって若干の差はあります。 ヘルムホルツ共鳴 ボディ…
ボディの共鳴音。サウンドホールに向かっていろいろな音程で「ウーー」と言うと特定の高さで共鳴するのが分かります。その音がボディの共鳴音です。主にギターの一番低い音の部分を担うのでドレッドノートではG(98Hz)あたり、トリプルオーでA(110Hz)あたり…
「表板の3つの振動モード」で出てきたロングダイポールとクロスダイポールは300~400Hz付近の1,2弦にとって「おいしい」周波数の振動モードです。個人的にこの振動モードをうまく機能させれば鳴らしにくい1,2弦を鳴らせるのではないか、と考えています。 …
ヴォイジャーギターズで行っているヴォイシングの方法です。ブレイシングはある程度整形をして背が高めのままにしておきます。この状態で表板と横板を接着しモールドに固定して行います。スキャロップ加工もこの時点ではしていません。 ここからタップトーン…
下の写真のようにアコースティックギター製作家が表板をコンコンと叩いて、その叩いた音=タップトーンを聞いてブレイシングや表板を削って調整をすることをヴォイシングとかタップチューニングと呼びます。1枚1枚、木材の硬さや密度が違いますので音を聞い…
アコースティックギター表板の3つ振動モード。 Monopole モノポール Long Dipoleロングダイポール Cross Dipole クロスダイポール 1.Monopole モノポール。 モノポールは下の画像のようにブリッジ付近を中心に表板が上下動する振動モード。周波数は180Hz前後…
ブレイシング(力木)の断面図です。 AとBのブレイシング、断面積は同じ=同じ木なら重さも同じ、ですが剛性が高いのはBです。 専門的なことは「断面係数」とか「梁のたわみ計算」などで検索すれば出てくると思います。自分の理解している範囲でギター製作に…