VoyagerGuitarsのアコースティックギター製作考

アコースティックギター製作、ヴォイシング・タップチューニングその他いろいろ~ヴォイジャーギターズ~

D-18タイプ・アコースティックギター製作その2~表板と裏板の厚み~

表板材はルッツスプルース、横板・裏板にはホンジュラスマホガニーを使用します。表板と裏板はジョイントしたらある程度の厚みにして表側になる面だけ#150で仕上げてウッドシーラーを薄めに希釈した物をウエスで塗ります。これを塗っておくとロゼッタバインディング作業で木の繊維がささくれるのを少し防いでくれます。シェラックでも良いと思います。外周を切り出してから厚み出しは裏面(ブレーシングを張る面)を削って行います。

表裏ともに高音弦側をやや厚めにしています。左右非対称にすることで振動板が偶数に分割される振動モードで互いに打ち消しあうのを防ぐ狙いです(詳しくは過去記事参照)

板の低音弦側にマスキングテープを貼ってドラムサンダーに通すことで大まかな厚みをだします。その後、鉋やスクレーパーで仕上げます。

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表板は木目の詰まった硬めのルッツスプルース材ですがドレッドノートなのでフラットピックの使用やミディアムゲージを張ることも考慮してこのギターの板厚は表板が高音弦側2.8mm、低音弦側2.6mm。裏板は高音弦側2.5mm、低音弦側2.3mmにしました。市販品のD-18のイメージを保つためにもこれくらいがちょうど良いのかなと思います。以前は板に重りを乗せてたわみを測定したりもしていましたが最近はモデル毎に目安の厚みを決めて、手でしなり具合を確認して微調整しています。最終的な剛性はブレーシングを削って決めています。

軽量化に重点を置くのであればこれよりも薄い板に細くて背の高いブレーシングの組み合わせも考えられます。表板は2.1mmくらいまでは試したことがありますが板厚が薄い=鳴るということでは無くブレーシングやドーミング、ブリッジなど複合的な要素で剛性・音が決まるので自分なりの組み合わせを探すことが大事だと思います。