VoyagerGuitarsのアコースティックギター製作考

アコースティックギター製作、ヴォイシング・タップチューニングその他いろいろ~ヴォイジャーギターズ~

Fusion360でギター指板を作る。その1

3DCADソフト、Fusion360を使ったギター指板の作り方です。寸法は以前のブログ記事で公開したDタイプの物を使用します。

アールはコンパウンドレディアス(円錐指板)、フレット溝の底面は指板のアールに沿った深さ、端からタングが出ないように両サイドを1.5mmずつ残し溝を切る疑似バインディング仕様にします。これはCNCルーターでしか製作できない仕様です。フレット溝が必要以上に深くならないので指板の強度が上がりネックの安定性、剛性アップにつながります。またバインディングも貼らないので木目を合わせる必要がなく工程も省略できます。

まずはスケッチでナット幅、エンド幅を入れて指板の土台を描き、押し出しで厚み6.5mmで立ち上げてボディを作ります。指板の最終厚みは6.35mmですがアールを後でとる関係で少し厚めにしています。

立ち上げたボディの表面にスケッチを作成、フレット溝の中心線を引いていきます。フレットの間隔はStewMacのフレット計算サイトなどを利用します。まずは0フレット(ナット)の上に線を引いてそれをオフセットで各フレットの位置にコピーしていきます。

次に指板の両サイド(指板幅の線)をオフセットで1.75mm内側に線を引きます。先ほどのフレット溝中心線は長さが足りないところは延長し、1~3フレットの長すぎるところは破断を使い1.75mmのラインに合わせます。

スロットを使いフレット中心線の両端を選択して、スロット幅を0.5mmと入力します。これでフレット溝ができます。先ほど指板幅の1.75mm内側に線を引いていますのでフレット溝スロットの半径0.25mm分が外にはみ出て、指板の端からフレット溝までの距離(疑似バインディングの厚さ)は1.5mmとなります。これを例えば2mmにしたければ1.75mmを2.25mmにすればよいですね。

この1.75mmの線は必要ないので削除しておきます。

出来上がったフレット溝すべてを選択し”新規ボディ”で指板の厚み(-6.5mm)だけ押し出します。

このように指板本体(ボディ1)とフレット溝(ボディ2~21)が作成されているのが確認できます。現状は両者が重なった状態です。

今回はここまで。次回に続きます。